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「インド・バルマアディ農園バイオダイナミック」取り扱いスタートしました

12月より新しく、インドのバルマアディ農園のコーヒー豆の取り扱いをスタートしました。

こちらの農園は以前から探していた「バイオダイナミック農法」でコーヒー豆の栽培を行っており、精製方法もウォシュッド(水洗式)とナチュラル(非水洗式)があります。

せっかくなので、飲み比べて楽しんで頂ければと2種類とも取り扱うことにしました。

今回のブログではまずこのバルマアディ農園について、そしてバイオダイナミック農法についてお話ししていこうと思います。

バルマアディ農園は、インド南部タミル・ナドゥ州のニルギリにあります。美しい観光避暑地で紅茶の生産も盛んな場所です。この農園では、コーヒー以外にも紅茶とスパイス(シナモンやカルダモン)の栽培も行っており、どれもスイスのIMOオーガニック認証とドイツのデメター認証を取得しています。標高1400〜2000mの高産地、年間雨量は2000ミリ。

*オーガニック認証は、生産者が「有機栽培の基準に基づいて生産したものであること」を有機認定機関が検査・査証することで受けることができます。

**日本の有機JAS認証に関しては前回の「オーガニックコーヒーは美味しい?(2)」をご参照下さい。

この「デメター認証」を受けるには、まず「バイオダイナミック農法」で栽培された農産物を用い、加工、保存、包装、流通に至るまで細かい基準に合格し、環境保護、安全性、農産物の生命力を最大限に生かす方法であるかどうか問われる厳しい審査をパスしなくてはなりません。そのため、世界で最も基準が厳しいオーガニック認証の一つとも言われています。

そして、このデメター認証を受ける為にまず求められる「バイオダイナミック農法」は、ビオダイナミック、ビオディナミ、シュタイナー農法などといった名前でも呼ばれていますが、オーガニックに関心を持っている方なら、どこかで耳にしたことがあるのではないでしょうか?

バイオダイナミック農法は、オーストラリアやドイツで活躍した哲学博士ルドルフ・シュタイナー氏が提唱した作物本来がもつ「生命力」を重視した有機農法・自然農法です。自然の営みや生態系を無視した農業の近代化に疑問を持ったシュタイナーが、1924年にバイオダイナミック農法に関する講義を行って学術的に注目を浴びて以来、この農法はヨーロッパにおける権威あるオーガニック農法として定着しています。

究極の有機農法ともいわれるバイオダイナミック農法を採用しているコーヒー農園はまだ数えられる程度しかなく、今回皆さんにご紹介できて嬉しいです。

ぜひお試しください!

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OZ GARDENさんにバイオダイナミック農法についてのわかりやすく丁寧な説明・解説がありましたので、以下に載せておきます。

「事の始まりは、1800年代後半から徐々にヨーロッパで普及し始めた燐酸系・窒素系化学肥料の使用により、今まで何百年も続いてきた伝統ある農地が次々と不毛の地と化していったことにあります。化学肥料の使用によって1920年までには既に作物の味、病虫害に対する抵抗、家畜の健康、タネの発芽率などが著しく低下するという弊害が出てきて、ドイツの農民達がシュタイナーに助けを求めたのです。これに応じる形でシュタイナーは、自然のリズムとの調和を重んじて健康な土壌作りと植物の組成力増進の達成を図る持続可能な農業に関する8つの講義(農業講座―農業を豊かにするための精神科学的な基礎)を授けました。

バイオダイナミック農法では、太陽、月、惑星と地球の位置関係が土壌や生命体の成分及び気象等に与える影響を重視して、種まき、苗植え、耕うん、調合剤の準備や施肥、収穫などの時期を天体の動きにあわせて選択します。また、土壌バランスや植物を健康に保ちつつ効果的な収穫をあげるためのサプリメント或いはコンディショナーとして、人為的な化学物質はいっさい使用しないかわりに、天然のハーブや鉱物、家畜を利用して作った各種調合剤を施します。この農法は世界各地のバイオダイナミック・リサーチセンターで長年にわたって実験が繰り返され、高い効果が報告されています。昔の農民達の間で迷信のごとく伝わってきた星の運行による農事暦の知恵が、シュタイナーと彼以降の研究者により体系立てられて甦り、一定の評価を得るに至ったといっても良いと思います。

さて一方、科学万能一本槍の近代農業は化学肥料使用によって出てきた様々な弊害に対してまったく別の対処をしてきました。すなわち、味の低下には慣れてしまい、病虫害への抵抗力減少には化学農薬を開発投与し、家畜の健康悪化には抗生物質を投与し、タネの発芽率低下にはタネの殺菌や防腐処理を施すことでしのいできたわけですが、近代農業の先進地ヨーロッパでこういった方法に頼り切ってきた農地は狂牛病の発生等で次々と行き詰まって転換を迫られています。実はシュタイナーは既に1920年代に狂牛病の発生を予見していました。自然の摂理を無視したやり方を続けていればそのしわ寄せがより大きな問題となって浮上してきて、結局は自然からしっぺ返しを喰らう結果となってしまうということに気づき始めたヨーロッパの人々。その地でバイオダイナミック農法に転換する農家が以前にも増して増えてきたり、遺伝子組み替え作物が強く反対されている理由もわかるような気がします。」

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