オーガニックコーヒーは美味しい?(2)
前回の続き、「オーガニックコーヒー」とはどんなものなのでしょう。 オーガニックコーヒー豆と一般的なコーヒー豆、物としてみればもちろん両方とも同じコーヒー豆です。違うのは、それがどのように育てられたコーヒー豆かというところです。 「オーガニック」というと、日本語では「有機」と訳されます。最近ではとても身近な単語で、スーパーやレストランなどでも「有機農産物」や「有機加工食品」と書かれたものを日常的に目にすることがあると思います。 日本では、2001年よりJAS法の一部を改正した「有機JAS認証制度」が実施され、農産物の生産者や流通業者ではない、第三者である有機JAS認証機関による検査査証が行われ、それに基づいて有機認証を受けた食品のみ、「オーガニック」また「有機」と名付けて販売することができるようになりました。基準の概要としては、2年以上(果物など多年生の作物は3年以上)農薬や化学肥料を使用しない田畑で生産され、収穫されたこと等があげられます。 有機JAS規格に従っていうと、有機農作物とは「農業が持つ自然循環機能の維持増進を目的として、科学肥料や農薬


オーガニックコーヒーは美味しい?(1)
「オーガニックコーヒーって美味しいですか?」 オーガニックコーヒー専門店をしています、と自己紹介をすると、相手の方によく聞かれる質問うちの一つです。 そこには、コーヒーとオーガニックコーヒーの違いって何だろう?そもそもオーガニックって何だろう?でもとりあえず美味しいコーヒーなのかな?というようなことが一緒になっていて、「(よくわからないけど)オーガニックコーヒーって美味しいの?」という質問をされるのだと思います。 私の答えはというと、「美味しいかどうかは人それぞれ好みが違うのでお答えしにくいのですが、ただ美味しいと思ってもらえるような条件を満たした良い状態のコーヒーを私はお出ししています。そしてそのコーヒー豆が全てオーガニックのものを使っています。」とお返事しています。 まず、『美味しいと思ってもらえるような条件を満たした良い状態のコーヒー』とはどんなものでしょう。 1)欠点豆の少ない良質な生豆を使い、適正に焙煎されたコーヒー豆を使うこと 2)焙煎したてのコーヒー豆を使うこと(〜3週間程度) 3)挽きたて・淹れたてのコーヒーであること 逆の場合の


"FIL COFFEE ORGANIC GROCERY &CAFE"を始めた経緯
"Progress means simplifying, not complicating." イタリアの美術家、ブルーノ・ムナーリ氏の言葉に、 「進歩とは、複雑にすることではなく、シンプルにすることである」というものがあります。 この言葉には、いろいろなタイミングで出会うことがありました。読んでいた本の中であったり、旅行中のロンドン・デザインミュージアムの壁に書かれていたり、そして友人がくれた手紙の中で出会ったこともありました。 余分な物を削ぎ落し、本質的に大切なものに気付くことや選ぶこと、そしてそれを優先させることは、簡単なようでとても難しいですし、ときには勇気も必要です。 2011年、私はフランス・パリに住んでいました。大学でフランス語を専攻し、在学時に一年間の語学留学を経て、卒業後は友人の紹介もあり、パリでファッション関係の仕事をしていました。 気が付けば、フランスで暮らしはじめて5年が過ぎていました。パリ在住歴の長い先輩達には、「滞在歴5年くらいが日本に帰るか、このままパリに住み続けるかの分かれ目になるのよ。」と言われ、本当にこのままパ

